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ガタロウ-中の池-

「民話から見えた ふるさと大東」に「中池のガタロウ」という話が載せられています。

kappa.jpg


むかしむかし
大和と河内の国境に竜間という山村があり、この村には大きな池が、いくつもありました。
山で暮らす人たちは、この池の水で作った氷を売ったり、木を伐り出したりして、生活をしていました。
氷室から運び出された氷や木は、中池の横を通り、山を下って、角堂浜から大阪まで船で運ばれます。
氷運びだけではありません。大阪と奈良を往き行き来する旅人もこの中池を通るのです。

ところが、最近になって「中池のガタロウが悪さをしよる」という噂が広がりました。
氷は、背負子で運ぶか牛の背に乗せて運ぶことが多く、一人ひとり、自分の体力に合わせて山と浜を往復するので、たった一人で池の横を通ることになります。
そんな時、ガタロウが池から手を伸ばし、足を引っ張って池に引きずり込むというのです。
引っ張り込まれて、池で溺れるぐらいなら良いのですが、溺れ死んでしまった人もいました。
「ガタロウに尻こ玉を抜かれた(魂を抜かれて死ぬこと)」と村人たちは大騒ぎです。
それからというものは、村人からも、旅人からも恐れられて、ぐるっと遠回りをして、誰も中池には近づきませんでした。

治助は今日も氷室へ氷を取りに出かけようと、草鞋の紐をしっかりと締めていると、婆ちゃんが、握り飯を包みながら、
「治助よ、中池を通るとガタロウに足をとられるで、道を変えて行けや」
と声をかけました。すると治助は笑いながら、
「婆ちゃん心配するな、わしゃ、体も大きいし、力もあるよって大丈夫や」
と答えました。
この辺りは河内相撲の盛んな所で、治助も村の奉納相撲では横綱になるくらい、力には自信があったのです。

氷運びは、安い賃しか貰えないので、何回も何回も、氷室と寝屋川の船着場までを往復しなければなりません。「今日は日の暮れまでに何回運べるやろうか」そう思うと気が焦ります。
治助は、にぎり飯を腰にくくりつけると、もう走り出していました。

何度か浜まで往復し、腹もへったので、昼飯を食べようと、池の近くで湧水のうまい所を見つけると、そこへ、どっかと腰を下ろしました。
婆ちゃん自慢のおにぎりは、味噌をつけて焼いてあるので、香ばしい良い匂いが辺り一面にただよい、その匂いだけで腹の虫がなきます。
治助は、にぎり飯をグンニュとつかみ、大きな口をあけて、パクリとかぶりつきました。
「うまい」汗を拭くことも忘れて、夢中で食べだしました。
それを、木の影からじっとみていたのは、あのガタロウです。
治助がゴクンと握り飯を飲み込むと、ガタロウもゴクンとつばを飲み込みます。
治助が二個目のにぎり飯にパクリとかぶりつくと、ガタロウも大きな口をあけて、タラタラよだれを垂らします。

治助が竹筒の水を飲みだしたとき、ガタロウの手が、にぎり飯を包んである竹の皮にソロリ、ソロリと伸びてきました。
「だれじゃ、おまえは」
という、治助の大きな声と大きな体に、ガタロウは腰を抜かしてしまい
「すいまへん。わいは、中池にすむガタロウでんねん」
と言うのがやっとで、ガタガタ震えていました。
「な~んや、お前がガタロウか。さては、わしの尻こ玉を抜きにきたな」
と治助が睨みつけ、身構えると、ガタロウは慌てて
「いいえ、違いまんねん。わいは、にぎり飯を見ていただけで・・・いや、あの、そのにぎり飯があんまりにも、うまそうやったもんで、つい手が出てしもうたんです。すんまへん」
とただ謝るだけで、そんなに悪そうにも見えません。
「なんや、にぎり飯が欲しかっただけか、ほんなら、わしと相撲をとって勝ったらひとつ、やろうやないか」
という治助の言葉にガタロウは
「えっ、すもうに勝ったら、貰えまんのんか、へぇ、おおきに」
と頭を下げると、四股を踏みはじめました。

 ハッケヨイ ノコッタ ノコッタ

ガタロウの体が小さすぎてうまく組めません。

 ハッケヨイ ノコッタ ノコッタ

ガタロウの体がヌルヌルしていて、うまくつかめません。

 ハッケヨイ ノコッタ ノコッタ

治助の腹の下に突っ込まれていたガタロウの頭が、グッと持ち上がりました。

 ハッケヨイ ノコッタ ノコッタ

ガタロウの皿の水がピチャ、ピチャと二回はねました。
これを合図に池に棲んでいるガタロウが、いっせいに顔を出します。

 ズデ~ン

治助は思いっきり投げ飛ばされてしまいました。
「わあ~い勝った、勝った」二人の相撲を見ていたガタロウたちは大喜びです。
「まいった、まいった。お前の皿の水はすごい力やなあ」
頭をかきかき治助は、ガタロウたちに、にぎり飯をわけてやりました。
「こんな旨いにぎり飯は、初めてや」
「喉が詰まってしもうた。治助はん、水おくんなはれ」
と、わいわい騒ぎながら食べ終わるとガタロウは
「治助はん、もう一回相撲をとろうか」
と誘ってきます。
「ようっしゃ、こい」
と、治助も好きな相撲のことですから、二つ返事で立ち上がりました。
こうして二人は日が暮れるまで相撲をとっていました。
「えらいこっちゃ、氷を運ぶのを忘れていた」
と治助が慌てると、どこから集まってきたのか、ガタロウが川一面に並び、氷を背に川下へ泳ぎだしました。
「治助はん、わしの背中にしっかり掴まりなはれ。ほな行きまっせ」
と言ったかと思ったら、皿の水がピチャとはね、あっという間に川を下ってしまいました。

それからの治助とガタロウは、毎日、毎日相撲をとり、一緒ににぎり飯を食べ、一緒に氷運びをしました。
すっかり、相撲好きになったガタロウは、もう村人の足を引っ張ったり、悪さをすることはありません。
その代わり、誰が通っても
「相撲とろ、相撲とろ」
と声をかけたといいます。

 ハッケヨイ
  ノコッタ
   ノコッタ


上の話にも触れられているように、大東の山中には古くから氷室が設けられていたようです。
現在「むろいけ園地」のある室池は、氷室池が転じて室池になったと伝えられています。
ここから角堂浜(現在のJR住道駅近辺)まで人力や牛馬を使用して氷を降ろし、後は水路で大坂の町まで運んで行ったようです。
その途中にある中池でガタロウが居たという話ですが、実は現在でもこの近辺には池が点在しており、どの池が中池なのか市販されている道路地図には載っていません。
そこで大東市図書館へ赴き地図を閲覧して、漸く場所を特定することができました。
現在では「中の池」と呼ばれているようですね。

で、足を運んでみたのですが…あいにく現在池の水が抜かれていました。
nakanoike03.jpg

nakanoike02.jpg nakanoike04.jpg
底樋の作りが良くわかります。これはこれで面白い光景かもしれません。

nakanoike05.jpg
中の池へ到る道。舗装はされていませんでした。治助もこんな道を通ったのでしょうね。

折角池を見に来たので「中の池」の直ぐ隣にある「奥の池」にも足を運びました。
nakanoike07.jpg nakanoike08.jpg
こちらの方がガタロウが出てきそうな雰囲気。

nakanoike10.jpg こちらの池はかなり広いです。

nakanoike09.jpg 奥の池改修工事記念碑

nakanoike11.jpg 
こちらの道の方が、中の池よりさらに自然のままです。

大東市に伝わるガタロウがでてくる民話は、私が知る限りこちらと「ガタロウの窓」と呼ばれるものの二編ですが、二編ともガタロウと村人が仲良くなりました、という形で終わります。
これはやはり村人と別の民の融和を暗示しているのだろうな、とは思いますが…

 

 


と、いつもならここで終わるところなのですが、ある晩オカルト話をネットで流し読みをしていた所、以下の話に目が止まりました。

 [池にいた何か]

この板に来るよーになってから、いつかは話そうと思ってた話。
俺はスレタイ通り、洒落にならないくらい怖かった。
だけど、長文がだるくてねー、なかなか書く気になれんかったんだけど、今日はがんばってみる。
俺自身この事件(事故?)を全部知ってるわけじゃなくて、肝心の所を知らない。
もし俺より知ってる人がいたら、逆に教えてほしい。
あの時一体何があったのか。

今から14年程前、夜な夜なバイクで峠に走りに行ってたんよ。
場所は大阪と奈良の境にあるH道路ってとこ。
そこで知り合った人に起こった話なんだけど、知り合いって言っても「ああ、あのCBRに乗ってる人か」ってぐらいの知り合いで、あんまり話したこともなければ、名前も知らない。
当時はそんな「知り合い」がいっぱいいたよ。

で、ある日、そのCBRの人の事で変な噂を聞いたんよ。
そう言や最近見かけないなーって思ってた所だったから、妙にその噂が気になって、色んな人に聞いたんだけど、聞く相手によって話が微妙に違うの。いいかげんなもんだなーって思った。

だいたいこんな内容だったと思う。
「CBRの人とその友達とでどっかに遊びに行ったら、野犬に出くわして、バイクで逃げたCBRの人は助かって、走って逃げた友達のほうは野犬に襲われて死んだ。」
ってな感じで、人によっては
「両方走って逃げたけど、池の方へ逃げた友達が野犬に追いつかれて殺された。」
って話したりしてた。
話のもとになったのは新聞の記事で、俺は残念ながらその新聞を見てないからわからないんだけど、誰かが死んだのは間違いなかったみたい。
この辺の話なら、当時H道路に居た人なら聞いた事があると思う。

新聞を読んだ人らが話してたのはただの「野犬の話」だったんだけど、俺があちこちで聞いて回ってたもんだから、しばらくすると、「CBRの人の彼女から聞いた」っていって、とんでもない話をする人が出てきた。その話には野犬なんか出てこない。
かわりに洒落にならないモノが出てくるんよ。
その話でもたいがい怖かったんだけど、実はそれから数年後に偶然CBRの人と会って、もっと確かな話を本人から聞いた。
これからはその時聞いた話。

CBRの人とその彼女、CBRの人の友達(ややこしいから以降TZRの人)とその彼女、計4人で夜景を見に行こうとして、二台のバイクにそれぞれ彼女を後ろに乗せて生駒山をウロウロしてたんだって。
だけどなかなかいい場所が無くて、いいかげんウロウロするのに飽きて、たまたま見つけた夜景なんか殆ど見えない公園で休憩してから帰ろうってなったらしい。
4人とも初めての公園で、公園の名前は知らないって言ってた。
小さい公園で、入ってすぐの所左手にトイレがあって、右手奥に池がある。そんなとこ。
深夜だしなんか気味が悪いなとは思ったし、女どもは「怖い怖い」って言ってたけど、なんせ疲れてたから休みたくて、ベンチを求めて池の横を通って公園の奥へ歩いて行くと、いきなり池の方から「ドボン!」って音。池のほうを見ると、おっきい波紋ができてる。
かなり大きな石を投げ込んだような音だったって言ってた。
その池は周囲をぐるっとフェンスで囲まれてて、そのフェンスを越えるぐらいの高さまで、さっきの音を出せるぐらい大きな石を投げ上げるのはかなりの力持ちじゃないと無理。って言うより、力持ちどころか、自分ら以外に誰も居ないのに、そんな音がしたのでほんとにビビったって。
TZRの人の彼女が怖がってしくしく泣きだしたし、CBRの人も休憩する気が失せるぐらいビビったので、もう公園から出ようって事になって、入り口に戻る為、池の横を通ろうとした瞬間、また「ドボン!!」
さっきより池に近かったから、深夜で真っ暗だったけど見えたって。
「最悪な事に、ソレをハッキリ見てもーた」って言ってた。
すぐ近く。音がした場所に広がる波紋の真ん中、音がしてからちょっと遅れて、ぽこっと、何かが顔を鼻から上だけ出したんだって。じっとこっちを見てたってさ。
「人間の幼稚園児みたいな顔だけど、目がおかしなとこにあった。」顔が。
目が合ったんだって、その波紋の真ん中の顔と。

そっからはよく覚えて無いらしいんだけど、「うわーーーー!!」って誰かが叫んで、いや、俺が叫んだのかも知れないって言ってた。
あるいはみんなが叫んだか。
走ってバイクの所まで戻って、彼女が来るのを待ってたのを覚えてるって。
すごく長く感じたって言ってたけど、時間にしてたぶん10秒も無いぐらい。
TZRの人はすでに彼女も後ろに乗ってて、エンジンをかけようとしてたから、よけいあせったのかも。
とにかく、気が狂いそうな程怖かったから、彼女が泣きながらノロノロ走ってくるのに我慢できないぐらい腹がたった覚えがあるんだって。
その時確かに聞こえてたから。
池の方から「ケケケケケケケケケケケケ」って子供のような笑い声。
後で彼女も聞こえてたって言ってたらしいよ。その笑い声。
しかもその時ノロノロとしか走れなかったのは、腰が抜けてたかららしい・・・。
人間て、腰が抜けてても走れるもんなんかな。
とにかく、彼女がようやくたどり着いてバイクの後ろに乗った時には、すでにCBRのエンジンがかかってて、いつでも出れるようになってたんだけど、どういうわけか、TZRの方のエンジンがまだかかってない。
知ってる人もいるだろうけど、CBR(250R)ってのはセルっていうボタンでエンジンがかかる。
だけど、TZRってのは2ストで、キックっていうレバーを踏み込んでエンジンをかける。
TZRの人は狂ったように何度も何度もキックを踏んでるんだけど、まるでかからない。
CBRの人は、自分の彼女を待つだけでも怖くて怖くて仕方がなかったのに、今度はTZRのエンジンがかかるまで待たなきゃならない。
だけど、公園の入り口近く、池じゃなくてすぐ近くから「ケケケケケケケケケケ!!」
って聞こえた時に、迷わずTZRの人達を置いて逃げた。
池にいた何かが、池を出てフェンスを越えて自分達のすぐ近くまで来てるってわかったから。

この後何があったのかは、CBRの人は知らない。
もちろん、CBRの人から話を聞いた俺も知らない。
とにかく、CBRの人とその彼女は、そのままCBRの人の家に行って、しばらく経ってからTZRの人とその彼女の家に電話したんだけど、電話に出た家の人に「まだ帰ってません」って言われたって。
当時携帯なんてみんな持ってなかったからね。
何度か電話して「まだ帰ってません」を何度か聞いて、さすがに心配になったから、家の人に事情を話して、またあの公園に行ってみたんだって。彼女を置いて一人だけで。
TZRの人らを置いて逃げてからそんなに経ってないけど、 公園に着く頃には辺りはすっかり明るくなってたって言ってた。
CBRの人がその時見たのは、公園の入り口で倒れたTZRと、その横で座り込んでずっと笑ってるTZRの人の彼女。TZRの人はどこにも居ない。

すぐにパトカーと救急車を呼んだんだけど、結局TZRの人が見つかったのはその翌日で、 公園の池の中から、全身を犬に噛まれたようなボロボロの状態で、死体で見つかった。
それで新聞には「野犬に襲われ死亡」って出たんだけど、CBRの人は言ってた。「池はフェンスに囲まれてんだから、犬なんかじゃない」って。
そうそう、TZRの人の彼女はそのまま入院したんだけど、それっきりCBRの人と疎遠になっちゃって、池から出てきたのは何だったのか聞く機会が無くなったって言ってた。
もっとも、機会があっても、なかなか聞けないけどね。彼氏が死んだ時の話なんか。

やれやれ、やっぱだいぶ長くなったなー。ごめんね。
それまでこの手の体験談って、「見た」とか「聞いた」とかばっかだったから、
ほんとに人が死んだってのがすごく衝撃だった。
その場にいた本人から聞いたから怖いのかもしれないな。
この話を聞いてから、何度かその公園を探しに行こうと思ったんだけど、やっぱ怖い。
俺の支離滅裂文で読んでも怖さが伝わらないかもな。
そんな人はこの公園を探してみて欲しい。
大阪からだとH道路の左手、K峠の手前あたりって言ってた。


え~と、いくつか一致する描写があります。
「中の池」は、大坂からだと阪奈道路を左手に曲がって清滝峠の方へ向かって暫く走った辺りにあります。
そして、池の近くにあった公園という描写ですが、このような広場が池の畔ににありました。
nakanoike01.jpg
訪ねた時には池から見て手前から右手のほうにかけて畑のようになっていました。
ベンチはありません。トイレまでは確認しなかったのですが、いくらか小屋の様なものがありましたのでトイレもあったのかもしれません。
唯一描写と異なるのがフェンス。広場の周りにはあったのですが、池を囲むようにはなっていませんでした。

上の書き込みがあったのは2003年。その14年前ということですので1989年(平成元年)。
最も近年に属する河童の目撃談なのかもしれませんね。

しかし、昔話とネットのオカルト話では河童の描写はかくも違うものになってしまうのですね。
オカルト話の方だけでは、あまり河童をイメージすることは出来ません。
この体験談の話者は、小さな頃に聞かされた民話が心の奥底に残っていたのか、山の中にある池を見てそこから感じるモノがかつての日本人と現代の若者の間でも実はあまり変わりっていないのか、はたまた本当に何らかのあやかしが…等と想像を膨らませてしまいます。
こうして、新しい民話が生み出されていくのかもしれないですね。


中の池
場所:大阪府大東市寺川
 

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昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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