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雷に関して伝えられる伝承が伝えられている土地があります。
その多くが、地に落ちてきた雷が、その土地にいたお坊さんなどに何らかの約束をさせられるかわりに空に返してもらい、それ以降その土地に雷が落ちる事はなくなりました、というものです。
西宮市鳴尾にある八幡神社にも同じような話が伝わっています。

Kaminari.jpg

「西宮ふるさと民話」に以下の話が載せられています。

鳴尾(なるお)のかみなり

 鳴尾の八幡神社(はちまんじんじゃ)には大きな森があって、夕立ちの雨の時などには、かみなりさんが喜んで、木を伝ってあばれまわります。
 かみなりさんはいたずら好きです。ピカッと光ると、ゴロゴロッと音をたてて走りまわります。八幡神社の真上では、特にバリバリッとものすごい音をたてます。
 お宮で遊んでいた子どもたちはびっくりして、耳とおなかをいっぺんにおさえながら、走って帰ります。かみなりさんは子どものおへそが大好きですから、おへそにすっかりふたをし、耳をあっちこっちおさえながら逃げるのです。
 かみなりさんは、吹き降りの雨と競争して、木と木の間をとびまわります。得意になって、大きな木の梢から目に見えない速さでかけ下り、ドカンと落ちて、またかけ上がるのです。そのあとが黒こげになります。
 ところが、どうしたはずみか、ピカピカッ、グワランと大きな音をたてたとたんにかみなりさんがお宮の前に転げ落ちてしまいました。木の皮にすべって、しくじったのです。土の上で手足をバタバタさせてしまいました。
 そこへ神主(かんぬし)さんが出てきました。落ちているかみなりさんのくびをつかみ、「雲の上にほうり上げてやりたいが、またいたずらをするだろう。ここにしばらく入っておれ。」と、お社(やしろ)のそばにある井戸のふたを開けて、中へポイッと投げこみました。そしてぶ厚い板のふたをもとどおりにしめ、出られないようにしました。
 かみなりさんは、その中で、おとなしくしていました。その間は、鳴尾の村ではかみなりは落ちなかったということです。
 そのあと、井戸の中のかみなりさんはどうなったでしょう。じつは、かわいそうに思った神主さんが、「どうだ、鳴尾の村ではもういたずらをしないか。」とたずねて、かみなりさんに約束をさせ、夜中に出してやったということです。
 (今津にも「福応(ふくおう)神社のかみなり」として、同じような話が伝わっています。)


黒猫はこの八幡神社に程近い場所にある高校に通っていたので、場所は直ぐに分かりました。
ただ、学生の時分にはそのような伝承があるとは露知らず。
そういえば学生時代は、伝承などよりも幽霊などのオカルト的な物を追いかけていたように思います。

naruohachiman01.jpg naruohachiman02.jpg
鳥居と本殿

naruohachiman04.jpg 摂社

naruohachiman03.jpg 手水舎

娘と一緒に境内を回ってみたのですが…
あれ?井戸がない。

残念ながら、伝承が伝える井戸は恐らくもう埋められてしまっているようです。
或いは手水舎の所のものが、井戸の名残かな?
確かに社に近いですし、ね。


鳴尾八幡神社
場所:兵庫県西宮市上鳴尾町14−21


より大きな地図で 黒猫による兵庫県妖怪・伝承地地図 を表示

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プロフィール

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黒猫
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男性
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自己紹介:
妖怪と酒を愛する一男一女の父。
昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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