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夜泣き石-源氏の滝-

交野市の源氏の滝に通じる公園内に、夜泣き声をあげる石があると伝えられます。

yonakiishi07.jpg

「伝説の河内」に以下のように「源氏の滝」に纏わる伝承が紹介されています。

交野の里に源氏姫という美しい姫と、梅千代という可愛い少年が住んでいた。源氏姫と梅千代は姉弟ではなかったが、二人とも幼いころ、母と生き別れた身の上で親身の姉弟のように一緒に暮らしていた。

その頃、大和と河内の国境に「おろち山」という山が有り、そこに一団の賊が住んでいた。その賊は、時折山を降りては近郷近在の家々を襲い掠奪をほしいままにしていた。

ある年の暮れ、この山賊の一団は遂に、交野の里にも現れ源氏姫の邸を襲い、姫と梅千代を縛り上げ引揚げた。
山賊の女の頭(かしら)に手下の一人が美しい姫と少年をさらってきたと報告すると、40になるかならぬの美しい女の頭は、早速その二人を連れてくるように命じた。
少年は襲われた際の驚きで、最早息絶えていた。

 女の頭は、じっとその少年の死骸に眼を注いでいたが、急に顔色を変え、手下どもを別室に下げ、かれらが別室に去ると、急いで姫の縄を解き、少年の死体を抱き上げてはらはらと涙を流した。

この不思議な様子に姫は訝しく思ったが、可愛い梅千代の死体を見るともうたまらなくなり、「弟の敵、思い知れ」と叫びざま躍り掛かり、短刀で女の頭の胸を刺した。
けれども、女の頭はこれに抵抗するでもなく、姫の手を掴みながら「源氏姫、梅千代、許しておくれ」と、苦痛に歪む頬に涙を滂沱(ぼうだ)と流しながら叫んだ。
姫は仇の口から意外な言葉を聴いて愕然(がくぜん)とした。

女の頭の苦痛を耐えつつ途切れ途切れに物語るには、女は正しく二人の実母で、まだ女の頭が若い頃、ある家に嫁いで一人の姫をもうけたが、ある事情で姫を残して別れ、それから再び他家へ嫁ぎ、一人の男児を産むとまた離別した。

それから18年の月日を送ったが、二人の子供のことが気にかかり、山賊といえども一度は逢いたいと念じていた。
今日偶然にも二人の子供と意外な対面が母子相互いに殺し殺されつして悲しい最期を遂げるのだ、とのことであった。
姉弟のように暮らしてきた梅千代は弟であり、山賊の頭は姉弟の産みの母であろうとは。
しかもその母を自分の手にかけてしまったとは何とした悲しいことか。姫の目先は真暗になり、母と弟にすがり付いてはた泣きに泣いたのであった。

そして、姫はそこを飛び出すと付近の滝壷に身を投げて母や弟の後を追ったという。


そして今回訪ねる「夜泣き石」は、「大阪伝承地誌集成」によれば、この石はそれ以後夜中になると泣き声をあげるのだとか。
ともあれ現地へ。

今回は、仕事が半日で終わった日に職場の最寄り駅から電車にて現地へ。
源氏の滝の最寄り駅はJR片町線(学研都市線) 津田駅でした。
途中機物神社に寄った上で、歩く事30分程だったでしょうか?現地へ到着。

yonakiishi01.jpg 源氏の滝公園の入り口近辺

yonakiishi02.jpg yonakiishi04.jpg 
公園に入って直ぐ、お稲荷さんも祀ってありました。

yonakiishi07.jpg yonakiishi06.jpg
こちらが件の「夜泣き石」。由緒書きもありました。

yonakiishi08.jpg 脇には沢山の地蔵尊も…

由緒書きには以下のように書かれてあります。

「伝説乃河内」という本に、次のような話が書かれている。
昔、このあたりに源氏姫と梅千代という二人の若者が住んでいた。あるとき、大和と河内の境、大蛇山に住む女山賊の手下どもが、二人をかどわかし、山に連れ去る途中、梅千代は死んでしまった。源氏姫は無念に思い山寒に着くと山賊の頭の胸を刺した。頭はすでに、梅千代も源氏姫も自分の子であることを知っていたので、息も絶え絶えに、このことを話した。それを聞いた源氏姫は、刺し殺した女が自分の母であったのかと、その罪を詫びて、源氏の滝壺に身を投じたという。
この付近には、夜になると泣き声がするという石が多い。この夜泣き石にも右の伝説に出てくる悲しい物語が秘められているのだろう。


この由緒書きを書かれた方は、「源氏の滝」の伝承と「夜泣き石」の怪異は別物と理解されているようです。
それにしても、

>この付近には、夜になると泣き声がするという石が多い。

とは、少し驚きです。
そのような石が多かった(=さほど珍しい物ではなかった)故に「源氏の滝」の伝承とは結び付けられなかったのでしょうか?

さて、「夜泣き石」を訪ねたついでに、「源氏の滝」にも足を運んでみました。
yonakiishi10.jpg 「夜泣き石」からさらに奥へ。

yonakiishi11.jpg 「源氏の滝」手前にある巨石。上に石仏も見えます。

yonakiishi12.jpg こちらが「源氏の滝」です。
残念ながら落石の危険があるとの事で、滝壺近くへは行くことは出来ないようにされていました。

滝の直ぐ近くの上に石仏があるということは、行場だったのかな?
そう言えば、滝への道の脇に、また滝側から上がる階段の先に寺のようなものがあったなと思い、そちらにも立ち寄ってみます。
yonakiishi17.jpg yonakiishi15.jpg
「正法山宜春院」とされていますね。
源氏の滝不動明王を祀ってあるとの事で、やはり修験道・山岳仏教に関係する寺なのでしょう。

奥に八大竜王を祀っている社もありました。
yonakiishi13.jpg yonakiishi14.jpg
八大竜王の社からは源氏の滝を見下ろす事も出来ます。

行く途中にはさほど気にも留めなかったのですが、交野山三宝荒神神宮遥拝所というものが直ぐ脇にありました。
yonakiishi18.jpg yonakiishi19.jpg
由来を読んでみると、

「寺社縁起」という古い本の中に修験者の宿(修行の場)が次のように書かれている。

 北の峯の宿(修行の場)として、
 石船(岩船神社)、獅子石屋(獅子窟寺)、
 金剛寺(傍示の北に在る金剛寺という地名と龍王山をふくめて)
 甲の尾(交野山開元寺)

の四箇所の宿(修行の場)を修験者は峯道を往復しながら艱難辛苦の修行を積み満願をはたし、悟りの境地に入れた修験者は甲の尾(交野山開元寺)から元寺滝(源氏の滝)に下り不動明王の梵字の前で身を清め、鏡池の北の「三宝荒神諸願成就」の碑の前で交野山頂に在る三宝荒神宮に向い修行にて諸々の願い事が成就した事を感謝を込めて遙拝した聖なる場所とある。
その後近代になり交野山頂の三宝荒神宮まで参詣に行く事が困難な方々の遙拝所として現在に至って居ります。

伝承地とは別の側面ですが、修験道・山岳仏教の面からも大事な場所のようですね。


夜泣き石・源氏の滝
場所:大阪府交野市東倉治2丁目 源氏の滝公園内

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