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今回の島根県伝承地巡りは、黄泉国との繋がりに関する伝承地をまわりたいな、という所に主眼を置いていました。
ですので「黄泉比良坂」、「出雲風土記」に記される黄泉穴と推定される「猪目洞窟」は抑えておいて、余力があれば「出雲大社」「日御碕神社」あたりをまわりたいな、と計画し旅をしています。
今回はその中でまわった「揖夜神社」のご紹介。

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この神社を訪ねたのは、すぐ近くにある黄泉比良坂に縁が深いと云われているからなのです。

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鳥居と門

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鳥居脇にあった現地案内板

揖夜神社

出雲地方でも熊野大社(八雲村)と共に最も古く、風土記に「伊布夜(イフヤ)社」と記され、日本書紀 斉明天皇の条に「言屋(いふや)社」の名で登場する。本殿は大社造りで、五色の八雲、極彩色の神事の障壁画が扉に描かれている。豊作豊漁を祈念する祭礼として毎年8月28日に穂掛け祭りが賑やかに行われる。


案内板にある日本書紀 斉明天皇の条というのが五年の記述になります。

是歳 命出雲国造 闕名 修厳神之宮
狐噛断於友郡役丁所執葛末 而去又
狗噛置死人手臂於言屋社 言屋此云伊浮瑯
天子崩兆

この歳、出雲国造 名をもらせり に命じて、神の宮を修り厳はしむ
狐、於友郡の役丁の執れる葛の末を噛ひ断ちて去りぬ
又、狗、死人の手臂を言屋社に噛ひ置けり
天子の崩ります兆 なり


少しおどろおどろしい記述です。
この犬が死人の腕を置いた言屋社こそがこの揖夜神社であるとされているのです。
実はこの条に記される「神の宮」は、意宇郡の熊野大社とする説と、出雲郡の出雲大社とする説があり、論争が繰り広げられています。
以前は出雲大社説が強かったようですが、現在は熊野大社説がやや力を持っている論説のようです。
論争の詳細は本旨から外れてしまうのでさけますが、いずれの論説でも言屋社が黄泉の国の入口であると考えられていたゆえ、死人の腕が置かれたのであり、また天子崩御の兆しであると考えられたようです。

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境内に入って辺りを見回すと、見慣れないものが目に飛び込んできました。
極めて多数の幣が地面に突き立てられ、その四方を竹と注連縄とで囲むようにしています。
また縄で編まれた名状しがたい物も置かれています。
Iyajinjya06.jpg
違う場所にも似たようなものが。
こちらには小さな社もありました。
何なのでしょうね?

そして本殿です。
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いつ見ても出雲地方の注連縄は立派なものです。

境内には稲荷社もありました。
Iyajinjya08.jpg Iyajinjya09.jpg

Iyajinjya10.jpg

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稲荷神社に足を向けたときに気がついたのですが、どうやら拝殿脇から本殿近くへ行く事が出来るようになっているようです。

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上がっていくと、本殿脇に摂社が2つ建っているのが分かります。


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扁額を見ると、
(左) 式内 韓國伊太氏神社
(右) 風土記社 三穂津姫神社
とされています。

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境内には石に刻まれた「由緒碑」もありました。

次の伝承地に向かおうと、駐車場に戻ろうとした時に神社脇の道に目が止まりました。
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道の脇には案内板や社も見えます。

夜見路庵

夜見路庵の由来
昭和五十九年青経会により桜の名所を作ろうと植樹しそして吾妻屋を建てました。

夜見路のルーツ
揖屋町平賀地内の国道9号線から約三百米南方にある小丘が黄泉比良坂であると伝えられています。この付近には以前に意東へ越える古路がありその道を夜見路庵越と呼んだり、近くの谷を最近まで夜見路谷と言っていました。夜見路とは黄泉路(よみじ・・死の国への道)のことです。 ここには、昭和十五年「神蹟黄泉比良坂伊賦夜坂伝承地」と刻んだ大きな石碑が建てられ、史跡研究の人達がよく訪れます。それで青経会が庵とつけ夜見路庵と名付けました。
桜の里

案内文を読んでも、今ひとつ理解しにくいのですが・・・この先に夜見路庵という吾妻屋があると言うのだけは分かりました。
ひょっとしたら、そこから黄泉比良坂を見ることが出来るのかもしれません。
そう考え、歩を進めることにしました。

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途中、やや広いところに出ました。
地元の人の慰霊碑のようです。

さらに丘の上に道が続くようです。
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丘の頂上に到着
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下に書いてあった夜見路庵です。
が、残念ながら周囲は木で覆われており、期待したようには黄泉比良坂を見下ろすことが出来るようにはなっていない様子。下の看板等が思わせぶりであっただけに残念。

少し気落ちしながらも、次の目的地、本命の一つである黄泉比良坂に向かうこととしました。


揖夜神社
場所:島根県松江市東出雲町揖屋2229

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プロフィール

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自己紹介:
妖怪と酒を愛する一男一女の父。
昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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