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以前に記事に起こした「鬼(牛鬼?)・火の雨-高安古墳群-」内で書き起こしたこちらの伝承。


埋められた鬼の手

 宇多大森の里に夜ごと鬼が現れ年若い女を見つければ捉えて食らうなどの悪さをし、周辺の民は大変困っていました。
 これを聞いた源頼光は、頼光四天王の一人である渡辺綱に鬼退治を命じました。
 命を受けた渡辺綱は早速その地に向かいます。ちょうどその晩は闇夜だった事もあり、女物の着物をかぶるなど女装して宇多大森の里に向かっていきました。
 待つこと暫く。怪しい風が吹き始めた丑三つ時の頃合、渡辺綱が周囲の様子を油断なく伺っていたところ、急に大きな手が現れ、女装した綱のえりがみをつかみました。
 大きな手はそのまま綱を空中に引き上げようとしましたが、慌てることなくこれに斬りつけると、叫び声が上がり綱は振り落とされてしまいます。
 同時に雲に乗った鬼が彼方へ逃げていくのが見えました。
 しかし、刀で切りつけられた鬼の腕がそこに転がっており、綱は鬼を取り逃した事を悔しがりながらも、鬼の腕を土産に鬼退治を命じた頼光の元に返ります。
 しかし、或いは鬼がこの腕を取り戻しにくるかも知れないので、ひつに収めて警戒させていました。
 
この後は「太平記」や「平家物語 剣巻」と同じような展開となります。
頼光の母に化けた鬼が手を見にやってきますが、正体を現したところで切りかかられ遁走していきます。

ただ、こちらの民話では綱の手元に鬼の手が残されたままであったとされ、高安の里の大きな木の下に埋めて、再び鬼に取り返されないようにしたと伝えられています。
このようなことから、この塚は「手塚」と呼ばれていましたが、今では古墳が多いことから「千塚」と呼ばれるようになりました。


こちらで語られている「手塚」についてさらに調べを進めていくと、玉祖神社裏古墳として現存していることが分かってきました。
そこで現地に足を運んできました。

Tezuka04.jpg


図書館で大阪について書かれている様々な書籍を読みふけっていると、この「手塚」は現存しており、かつ玉祖神社近辺にあると書かれていることが幾つかの書籍で触れられていました。
そこで玉祖神社に行って自分の足で探し回ってみたり、近辺で聞き込みをしてみましたが、残念ながら手掛かりは得られず。
改めて追加で得られた情報も含めてネットで調べてみたところ、「玉祖神社裏古墳」という名前であるそうで、過去には「八尾市立しおんじやま学習館」というところで鬼の話も含めて講習会の題材にも取り上げられていたようです。
そこで子ども達と「八尾市立しおんじやま学習館」に遊びに行き職員さんにお話を伺ってみたところ、ちょうどその講習会の件に絡んで場所をご存知の方にお会いすることが出来、場所についての情報を得ることが出来ました。

そしてそのお話を元に現地に向かってみました。
しかし、1度目は残念ながら辿り着くことがかなわず。

再度「八尾市立しおんじやま学習館」に遊びにいって話を伺い、娘をお供に再チャレンジしてようやく辿り着くことができました。

まずは農免道路に車を止めて、こちらからは徒歩になります。
CIMG1565.jpg

CIMG1566.jpg Tezuka02.jpg
貯水池脇を抜けてどんどん山中に進んで行きます。
途中までコンクリートで舗装されていますが、やがて土の道に。

Tezuka03.jpg
突き当たりにある砂防ダムに到着。
ここから右手の山に登るとようやく辿り着くことができます。

Tezuka04.jpg
奥に見える緑に茂ったこんもり盛り上がっている箇所が「手塚」こと「玉祖神社裏古墳」です。

Tezuka05.jpg
事前に調べていた事によると北向きの横穴式古墳との事だったのですが、西向きなのかな?
入口は結構分かりにくかったです。

Tezuka06.jpg
こちらが古墳の入口

Tezuka07.jpg
古墳内部。目測で高さは1メートルほど。奥行き3メートルほどでしょうか?
まぁ当たり前の話ではありますが、牛鬼の腕はありませんでした。

さて現地に行ってみた所感ですが、伝承を知った時に何故「牛鬼」なのか疑問に感じていたのですが、やや疑問が解決しました。
実は「牛鬼」は水辺に出るとされることの多い、水辺に縁の多い妖怪なのです。
和歌山や三重などでは滝などの水源地に「牛鬼」が棲む、などと伝えられる伝承地も多いですしね。
これを考えてみた場合、砂防ダムがすぐ脇に見えることもあり、もともとこの地に「牛鬼」に関しての伝承があったのではないかと思います。
これに「太平記」や「平家物語 剣巻」の話が結びついて、このような話が出来上がってきたのかな・・・と想像してみたり。


玉祖神社裏古墳(手塚)
場所:大阪府八尾市大字神立

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妖怪と酒を愛する一男一女の父。
昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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