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子育て幽霊-櫛笥寺- の項にて書きましたが、「子育て幽霊」という民話があります。
この類話の中で恐らく最も有名なものが京都の物であると思われますが、その理由としてはお話の中で語られる幽霊に渡してあげたという飴が現在も販売しているお店が残っているからなのです。
それが今回紹介する「みなとや 幽霊飴本舗」です。

Minatoya02.jpg


改めて wikipedia「子育て幽霊」 からあらすじを引用します。

ある夜、店じまいした飴屋の雨戸をたたく音がするので主人が出てみると、青白い顔をして髪をボサボサに乱した若い女が「飴を下さい」と一文銭を差し出した。
主人は怪しんだが、女がいかにも悲しそうな小声で頼むので飴を売った。

翌晩、また女がやってきて「飴を下さい」と一文銭を差し出す。
主人はまた飴を売るが、女は「どこに住んでいるのか」という主人の問いには答えず消えた。

その翌晩も翌々晩も同じように女は飴を買いに来たが、とうとう7日目の晩に「もうお金がないので、これで飴を売ってほしい」と女物の羽織を差し出した。
主人は女を気の毒に思ったので、羽織と引き換えに飴を渡した。
翌日、女が置いていった羽織を店先に干しておくと、通りがかりのお大尽が店に入ってきて「この羽織は先日亡くなった自分の娘の棺桶に入れたものだが、どこで手に入れたのか」と聞くので、主人は女が飴を買いにきたいきさつを話した。
お大尽は大いに驚いて娘を葬った墓地へ行くと、新しい土饅頭の中から赤ん坊の泣き声が聞こえた。
掘り起こしてみると娘の亡骸が生まれたばかりの赤ん坊を抱いており、娘の手に持たせた三途の川渡し代の六文銭は無くなっていて、赤ん坊は主人が売った飴を食べていた。
お大尽は、「娘は墓の中で生まれた子を育てるために幽霊となったのだろう」と「この子はお前のかわりに必ず立派に育てる」と話しかけると、娘の亡骸は頷くように頭をがっくりと落とした。
この子供は後に菩提寺に引き取られて高徳の名僧になったという。


そして、こちらで販売されている飴がこちら
Minatoya04.jpg

ちなみに京都の話では、幽霊に育てられた赤子は 六道珍皇寺 の僧侶となったとされています。
此方と彼方の境界にある寺ですので、幽霊に育てられた赤子が僧になるには相応しい寺と言うべきでしょう。
また轆轤町という町名ですが、これは鳥辺野の入口であるこの付近にはかつて骸骨が沢山転がっていたため「どくろ」が転じて「ろくろ」になったものだとか。
これは直ぐ近くにある六波羅蜜寺にも言えることで、「どくろ原」が転じて「ろくはら」になったのであろうと言うのが有力説なのだそうです。
境界の地であった名残は未だに残されているものですね。


みなとや幽霊飴本舗
場所:京都市東山区松原通大和大路東入ル二丁目轆轤町

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プロフィール

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自己紹介:
妖怪と酒を愛する一男一女の父。
昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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