猪名川・五月山一帯に伝わるという九頭竜伝承地を巡っての2箇所目(空振りに終わった余野を含めると三箇所目)は、兵庫県川西市東多田にある九頭の社の紹介です。
[6回]
この伝承地は兵庫県とはいっても、大阪府の眼と鼻の先です。
このあたりで兵庫県と大阪府の県境が入り組んでいるので兵庫県となっています。
猪名川・五月山一帯に伝わるという九頭竜伝承については、
九頭竜-九頭竜権現社-
を参照して下さい。
ただし、今回の訪問で分かったのですが、wikipediaでは
・九頭神社 - 兵庫県川西市東多田2(住宅街の外れ)
とされていますが、現地の額には「九頭大明神」、現地案内板には「九頭の社」、GoogleMapには「九頭大名社」と表記がバラバラです。
このブログでは、現地案内板の「九頭の社」で統一させていただきます。
今回は前の二箇所とは異なり、地図にも載っていましたので直ぐに辿り着けました。
住宅地の外れにあります。
現地案内板
九頭の社の由来
清和源氏の祖 源満仲公が天禄元年(九七0)摂津の国守に任ぜられたとき、住吉大神のお告げによって矢を放ちました。矢は、五月山の西北にある河水をたたえた湖に光を放って落ちその湖の主として住む雌雄二頭の竜の内一頭に当たりました。一頭はこの地で死に一頭は山を突破り、湖水は鼓を打つような音をたてて滝となって流れ出ました。湖水の水はひき多くの田畑が出来ました。村人等は九頭竜のお陰で田畑のひらかれたのを感謝し九頭明神とあがめおまつりしたのがこのお社です。
ご神体の御霊は、九つの霊石をお祀りして首から上の病にきく神として信仰され頭痛、歯痛、眼の病等の平癒にきくと伝えられ最近は人知れずこっそりと頭のよくなるようにと祈る若者たちのおまいりが多いようです。
九頭龍の、ありがたや願いをここに
神の霊験あらたなりけり
読人不知
附
突破って逃げた一頭は小戸神社の境内に白竜社としてまつられています。また対岸の部落は矢問といいますが源満仲公の放たれた矢を問いながら訪ねてこられたので矢問と名付けられました。
福本賀弘記
社のアップ
伝承にある湖は既に残っていません。
ただ最寄り駅である能勢電鉄妙見線鼓滝駅や一つ北側の多田駅の東側には池が点在しており、これらは湖の名残なのかもしれません。
地図上で確認できる、この九頭の社に最も近い池が古池というようですが、折角ですので足を運んでみました。
が…
タッチの差で埋め立てられ、宅地造成されてしまったようです。
この地蔵堂が池の名残なのでしょうか。少し残念。
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九頭竜-九頭竜権現社-
九頭竜-兵庫県川西市・小戸神社 末社-
九頭竜-九頭竜神社-
九頭竜-兵庫県尼崎市・久々知須佐男神社-
九頭の社
場所:兵庫県川西市東多田2
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