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殺牛殺馬祭祀-箕面の滝-

「日本の滝百選」にも選定されている箕面の滝ですが、この滝にも殺馬祭祀の記録が残されています。

mminohohtaki15.jpg

箕面の滝は落差33mの大滝が良く知られていますが、実はその奥にある(あった)二つの滝を加えて、三つで箕面の滝と呼ばれます。
勧修寺慈尊院僧正栄海編算の「真言伝」(正中二年(1325年))によれば、

三重ノ瀧有リ。
最上ノ瀧ハ雄瀧也。高サ一丈余也。枝ヲ立テ腰ヲカケテヨジ登ル。其杖ノ跡ト今ニアリ。淵ノ底ニ三丈余ノ黒蛇ワタカマリ臥ス。時ニ出テ人ニ見ユ。
第二ハ瓔珞ノ瀧也。岸石滴リテ珠ヲツラヌケルガ如シ。
第三ハ雌瀧也。高サ十五丈余。布ヲサラセルニ似タリ。
頂上ノ壷ハ龍穴也。其龍ノ色斑ニシテ長三丈余。動スレハ黒雲ヲ吐テ雨ヲ下ス。


と、されています。摂陽群談
箕面の滝は上流から順に、雄瀧、瓔珞ノ瀧、雌瀧の三つの滝で構成され、現在箕面大滝として知られるのは、ここでいう雌瀧のことです。
雌瀧の頂には龍穴と呼ばれる、「摂津名所図会」によれば「岩間方三丈ばかり、深渕にして蒼色なり。その深き事はかりがたし」とされる淵があるようですが、この近くには現在近づくことは出来ません。
そして現在瓔珞ノ瀧については既に無くなっています。

さて、殺馬祭祀についてですが、雄瀧、雌瀧のいずれか、若しくは両方で行われていたようです。

まず有名な雌瀧こと箕面大滝についてですが、頂にあるという龍穴で行われたようです。

「名葦探杖」安永七年(1778年)
瀧の肩に龍穴あり、その深きこと人これをはかるに知れず。土民雨を祈るに白馬の首を切りて龍穴を穢すに忽ち大雨す。


「摂陽群談」「摂津名所図会」にも箕面の滝での雨乞いの記述が見られますが、殺馬祭祀については触れられていませんでした。

雄瀧については「嘉永六年大旱魃記録」にて嘉永六年(1853年)の雨乞いの記録として、葦毛馬の首を切り投じた記録が残されています。

折角の観光地ですので、休みを利用して家族総出で出かけてきました。


まずは雌瀧こと箕面大滝
mminohohtaki08.jpg mminohohtaki14.jpg
(左) 観光地化されていますので滝壺近辺には売店等もあります。
(右) 滝を見るのが初めての我が息子は、いたく気に入ったのか見入ってました。一方の娘は売店で鮎の塩焼きを買ってきて骨ごと齧り付いていました^^

mminohohtaki16.jpg
大滝の滝壺

mminohohtaki23.jpg mminohohtaki22.jpg
滝壺の辺りから見上げてみました。ご覧の通りの断崖絶壁です。

mminohohtaki29.jpg
箕面ドライブウェイから箕面大滝を捉えてみましたが、龍穴を見ることは適いません。
駐車場近くから川沿いに行くぐらいしか龍穴を見ることは出来そうにありません。


次に雄瀧こと奥の瀧
minoookutaki10.jpg
箕面ドライブウェイを箕面大滝から上流に歩いていくと、数分で辿り着くことが出来ます。

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道から降りて、滝壺近くから奥の瀧を撮影

minoookutaki07.jpg minoookutaki08.jpg
こうやって縦方向に写した方がこの瀧の雰囲気が分かりやすいかもしれません。
この近辺では絶壁が迫り出してきており、大滝より雰囲気があるかもしれません。

minoookutaki02.jpg minoookutaki03.jpg
(左) 奥の瀧のすぐ上流
(右) 奥の瀧のすぐ下流

minoookutaki09.jpg
根性を出して瀧の頂から乗り出して撮影してみました。
この近辺では岩壁が迫り出してきていますし、U字方に抉られた谷の中にある滝壺に流れ込んでいってますので、高さこそ然程ではないものの結構迫力があります。

最後に瀧近くに行く場合十分に注意してください。
岩肌は非常に滑りやすいです。
黒猫も一度足を滑らせました;;滝の上でしたのでかなりの恐怖体験を味わうこととなりましたので^^


<<関連エントリー>>
殺牛殺馬祭祀-兵庫県西宮市・高座岩-
殺牛殺馬祭祀-牛ヶ首池-
牛鬼及び殺牛殺馬祭祀-和歌山県西牟婁郡・牛屋谷の滝-

箕面の瀧
場所:大阪府箕面市箕面公園
箕面公園

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