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高入道-北御堂-

黒猫は妖怪関係の事を調べる時に「怪異・妖怪伝承データベース」をよく活用させていただいています。
そこの検索ページの詳細検索で、地域(都道府県)を「大阪府」としてヒットしたものを基に資料をあたり、もっと詳細な伝承や場所を調べていっています。
今回は高入道について調べてみました。

Takanyudo.jpg

「怪異・妖怪伝承データベース」には以下のように要約が書かれていました。

高入道
明治15年頃まで、大阪北御堂裏に、夜半に高入道が出るとの評判があり、知らぬ者はなかった。付近の者はこれを恐れ、夜間の道歩きを控えた。古来、高入道が出た時には、棒や杖のようなもので高入道の足元を横薙ぎに払うとそれは消え失せるといわれるが、これは高入道が古狸の仕業であって、それが足許にいて誑かしているからであろう。

郷土研究上方7巻/78号に掲載されていた記事のようですので、早速大阪府立図書館に足を運んで該当書籍を閲覧してみました。
記事を書き写すと以下の通り。

北御堂裏の高入道
明治十五年頃まで大阪北御堂裏に夜半になれば物凄き高入道現はれ、通行の人々を驚かすと云ふ評判頻にして、唯一人として知らざる者なく、附近の人々は恐れをなして夜間の道歩きを控へたり。
古来よりの話に、高入道の出たる時は、棒又は杖の如きものにて、件の高入道の足許と覚しきあたりを、横薙ぎにしばきつければ忽ちにして消え失せると。これは惟ふに、高入道とは古狸の仕業にて、其正体は高入道の足許邊に居て、人を訛らかすものならん。

う~ん、残念ながらあまり要約の内容と変わりませんね。
仕方がありませんので、これだけの情報を頼りに現地へ行ってきました。

北御堂とは本願寺津村別院のことです。
kitamidou06.jpg 御堂筋に面した場所にあります。
御堂筋はご存知の通り大阪市の大動脈にあたり、本線4車線、側道も含めると6車線にもなります。
しかし、南向けの一方通行ですので、他の地域からこられた方はちょっと驚かれると思います。
ちなみに御堂筋の名は、この北御堂ともう少し南側にある南御堂から来ています。

kitamidou01.jpg 御堂筋に面した門

kitamidou02.jpg 正面から

kitamidou03.jpg 本殿

裏側に回ってみました
kitamidou05.jpg やはり正面とはうって変わって、人通りは少ないです。

本願寺は、現在の大阪城のある辺りにあったらしいですが、織田信長によって門徒諸共攻め滅ぼされてしまいます。 大阪を退去させられます。(1580年)
その後信長亡き後、秀吉により京都に再建されましたが、やはりもともと石山本願寺のあった大阪にも集会所が作られ、坊舎になり、拡張を経てこの津村別院になっていきます。

昔の大阪の人には、そのような歴史的経緯を日常生活と異なるこの場所に感じたのかもしれませんね。


本願寺津村別院(北御堂)
場所:大阪府大阪市中央区本町4-1-3
公式ホームページ

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まめだ

  • posted at:2011-03-02 02:32
  • written by:xiaoke
あれ?織田信長との戦いで本願寺は攻め滅ぼされたのではなく、形式上和議が成立して、大坂から退去したという流れじゃなかったかと。それはともかく、豆狸(まめだ)が「悪戯(わるさ)」をする話は落語にもなるくらい、大阪では有名ですよね。

追伸

  • posted at:2011-03-02 02:38
  • written by:xiaoke
「横薙ぎにしばきつければ」を見て、「ああ、『しばく』は昔からある言葉なんや」と感心してしまいました。中之島・荒本あるいは西長堀の図書館で、ひたすら複写しまくる目つきの悪い美青年(おい!)を見かけたら、そっとしておいてくださいネw

Re:まめだ

  • posted at:2011-03-02 06:32
  • written by:黒猫
あらら、初期の本願寺勢力の争いの結末と混同してしまったようです。確かに和議の上退去が正解ですね。
豆狸は大阪では有名ですがどこの場所で、というのが書かれている物を中々見つけれていないのです。落語の舞台に尋ねていくのも良いですね。いつもありがとうございます。
あと私は資料探しは中之島ですね。あそこでやはりひたすら複写しまくる美中年を見かけたら、そっとしておいてくださいネw
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黒猫
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男性
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自己紹介:
妖怪と酒を愛する一男一女の父。
昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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