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大阪市内に棲む黒猫が、大阪近辺の妖怪や民話の伝わる土地を訪ね歩いた記録です。 ツイッターで更新のお知らせをできるようにしています。 @youkai_kuroneko
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大阪各地の伝承について調べていたときに、この話を耳にしていたのですが、実は最初黒猫にはピンときませんでした。
というのも、臨南寺というからには仏教系の宗教建造物の境内に、ご神木=神道系の考え方のものがあり、そこにいるという白蛇を祀っている=神道?と、仏教と神道という二つの宗教でどのように考え方の折り合いを付けているのだろう、と不思議でなりませんでした。
そして、ようやく近くに行く事があったので、臨南寺へ行ってまいりました。
これが件の社
「棱伽白龍大権現」ののぼりがはためいています。
その後ろに朽ちたご神木の跡が
ご神木の由来
由来書によれば、
かつてこの地には、「臨南の森」という広大な森が広がっていました。うかつに入ると迷ってしまうほど、深い森であったといいます。
中でも樹齢七百年という椎の大木が、ひときわ大きな枝を広げていました。この樹には白蛇が棲んでおり、万代池の白蛇と夫婦であったとも、兄弟であったともいわれています。時折ふたつの精が臨南の森を仲良く逍遙する姿を見掛けたと伝えられています。
その樹も昭和二十五年のジェーン台風で倒れてしまい、かつての堂々たる姿を偲ばせる幹の一部を残すのみとなりました。いまも白蛇の宿るご神木として信仰を集めています。
となっています。
帰宅後、権現という言葉を頼りに調べてみれば日本の宗教が辿ってきた歴史を見ると、神仏習合の流れから土着の神々(=神道の神々)は本地垂迹(日本の八百万の神々は、実は様々な仏(菩薩や天部なども含む)が化身として日本の地に現れた権現(ごんげん)であるとする考え)に基づき、仏教に取り入れられ権現という神号が取り入れられたとか。
時代が下って、明治維新の神仏分離令(神仏判然令)で権現社・権現宮の多くが廃されたとともに、「権現」の神号や修験道が一時禁止されたため、多くは元の神社に戻されたり改変されたりしたようですが、この臨南寺はそのまま「棱伽白龍大権現」という形でこの地に留まる事ができたようです。
そういえば○○権現という言葉自体はよく聞くのに、それについて深く考える事がありませんでした。
恥ずかしい限りです。
この白蛇は、仏教で祀られている仏様、或いは神様とされています。
今後も大事に祀られて欲しいと願います。
訪ねていった時、長居公園の中がいつもと違い、そろいのジャージでランニングしている方々を見かけたので何のイベントかなと思ったら、2011年大阪国際女子マラソンが数日後に開かれるとのことで、選手も会場もその準備の大詰めだったようです。
後日こちらの伝承で、夫婦であったとも、兄弟であったともいわれている万代池の白蛇も訪ねてきました。
その記事はこちら。
臨南寺
場所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-32