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大阪と和歌山の県境にある「淡嶋神社」は、日本全国で「あわしまさん」とよばれる淡島(嶋)神社・粟島神社・淡路神社の総本社になります。
こちらの神社は全国有数の人形供養の神社としても知られています。






祭神は少彦名命(すくなひこなのみこと)、大己貴命(おほむなちのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)の三柱ですが、やはり少彦名命(すくなひこなのみこと)との関係に注目すべきでしょうか?
このブログでも過去何度か少彦名命を祀る神社の記事を書いた時に取り上げましたが、この神は常世の国から船に乗ってやって来て、大己貴命と共に日本を創造し、そして事が済んだ後にはまた常世の国に帰って行ったと伝えられています。
この世と、海の彼方にあるあの世とを往来する神なのです。
加えて、様々な描写から小人の神であるとも云われている神です。

さて、そんな神が祀られている神社なのですが、この神社の境内は一種独特の雰囲気を持つことで知られています。

という訳で、現地の様子です。


海に沿ってはしる道路に面して一の鳥居があります。


振り返れば、友ヶ島が見えます。
その奥には肉眼では淡路島も見えていたのですが、写真だと判別できませんね。
もともとこの淡嶋神社は、友ヶ島(友ヶ島というのはややこしい話ですが特定の島を指すのではなく、地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の無人島群の総称として呼ばれます)の内の神島(淡島)に祀られたことが始まりとされるそうです。


本殿


本殿の近影

お分かりいただけるでしょうか?
さらに近づいて見ます。









とまぁ、このように無数の人形が境内に溢れかえっているわけです。

そして3月3日の桃の節句(雛祭り)にこれらの人形を船に乗せて沖に流す「雛流し」という神事が行われています。
最もかつてはそのままでお終いだったのでしょうが、ゴミ問題などに気を付けなければならない現代に置いては沖合いで人形を乗せた船を回収。浜に持ち帰って焼いて供養するという流れとなっています。

日本に置いて雛人形を飾る事は遊びから始まったと見られているようですが、平安期頃より本人に代わって雛人形が厄を受けこれを川に流す「流し雛」という風習が発生してきたといわれており、「上巳の節句(穢れ払い)」として雛人形は「災厄よけ」の「守り雛」として祀られる様になったのだとか。
こちらの神社の「雛流し」はそういう古い形態の「雛祭り」のやり方を今に伝えるものなのでしょう。

これに加えて、日本には「付喪神」という考え方もあります。
長い年月を経て古くなったり、長く生きた依り代(道具や生き物や自然の物)に、神や霊魂などが宿ったものをさす言葉ですが、当然「人形」にも魂が宿るとされています。 むしろ、人型であることや愛着を持って共に遊ぶ事も多いこともあり尚更でしょう。
そういう民間信仰から「人形供養」という形態の宗教行為も行われるわけです。
こちらの神社は日本でも最も有名な部類に入る「人形供養」の神社なのです。
小人神であり、海の彼方の常世の国へと還って行く神である少彦名命を祀る神社に相応しい祭事ですね。


淡嶋神社
場所:和歌山県和歌山市加太116

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昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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