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かつて京都の東の方、清水寺の近辺は鳥部野(鳥辺野)と呼ばれ、人の亡骸はそちらへ運び込まれていました。その辺りは彼岸の地であり異界であったわけです。
そしてその入口にあたるとされた場所は、「六道の辻」と呼ばれており現在の六道珍皇寺のある辺りであると云われています。

Rokudouchinnouji03.jpg




Rokudouchinnouji01.jpg
山門にあった由緒書き

 六道珍皇寺

 大椿山と号する建仁寺の塔頭で「六道さん」として親しまれている。
 この付近は、かつて死者を鳥辺野(東山区南部の阿弥陀ヶ峰北麓の五条坂から南麓の今熊野に至る丘陵地)へ葬送する際の野辺送りの場所で、「六道の辻」と呼ばれ、この世とあの世の境といわれていた。六道とは、仏教で、すべての生き物が生前の善悪の行いによって必ず行くとされる地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六種の冥界のことで、本堂の裏にある井戸は、昼は嵯峨天皇、夜は閻魔大王に仕えた小野篁が冥土へ通った入口であったという伝説が残されている。
 創建についての詳細は明らかではないが、平安・鎌倉時代には東寺に属して隆盛し、その後衰退した。室町前期の正平年間(1346~70)に建仁寺の僧、良聡によって再興され、臨済宗に改められた。
 薬師堂に本尊の木造薬師如来坐像(重要文化財)を安置し、閻魔堂に小野篁の作と伝わる閻魔大王像と等身大の小野篁像が祀られている。
 毎年八月七日から十日までの四日間は「六道まいり」が行われ、先祖の精霊をこの世へ呼び戻す「迎え鐘」を撞く参拝者でにぎわう。


塔頭とは大雑把に言えば、祖師や大寺・名刹の高僧の死後、その弟子が師の徳を慕って塔(この塔は祖師や高僧の墓塔のこと)の頭(ほとり)や寺の敷地内に建てられた小院の事です。

Rokudouchinnouji02.jpg
山門前にあった歌碑

愛宕の寺も
うち過ぎぬ六道の
辻とかやげに恐ろし
やこの道ハめい土
にかよふなる
ものを


読みやすいように繋げると、

愛宕の寺も打ち過ぎぬ六道の辻とかや 実に恐ろしやこの道は冥土に通ふなるものを

でしょうか?
世阿弥が作ったとの説も謡曲「熊野(ゆや) 清水詣」の一節なのだそうです。

Rokudouchinnouji05.jpg
山内の様子。
この本道の裏に閻魔大王の元へ通じるという伝説の井戸があるとのことですが、残念ながら通常は見せていただく事は出来ません。
ただ、稀に公開することもあるようですので、運良く機会があれば是非見てみたいものです。

ちなみにこちらの井戸からは閻魔大王の元へ行くことは出来るのですが、どうやら双方向通行にはなっていなかったようです。
閻魔大王の元から帰ってくる井戸は嵯峨野の大覚寺門前に以前あった「福生寺」のあった井戸が出口だと言われているのだそうです。

Rokudouchinnouji04.jpg Rokudouchinnouji06.jpg
閻魔堂とそこに貼られてあった案内

地獄の冥官小野篁の伝説が残る現世と冥界の境界に建つ寺

 古来、化野、蓮台のとともに風送(葬)の地として知られていた鳥辺野。

 かつて五条通であった門前の松原通は鳥辺野へ亡骸を運ぶ際の通路であった。現世から冥界へ行く際の入り口とされたこの寺の界隈にはさまざまな伝説が残る。
 平安時代、五条坂から今熊野あたりの阿弥陀ヶ峰の麓一帯は鳥辺野と呼ばれる京の東に位置する葬送の地であった。
 都人たちは、人が亡くなると亡骸を棺に納め、鴨川を渡り、鳥辺野へ至る道筋にあたる六道珍皇寺にて、野辺の送りの法要を行い、この地で最後のお別れの後、隠坊により、風葬の地である鳥辺山の麓へと運んで行った。
 そんな風習のためか珍皇寺の辺りを中世以降「六道の辻」と称し、他界(地獄)への入り口とされてきた。
 この六道とは、仏教の説く六道輪廻の死後の世界のことで、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上界の六つの世界をさす。
 衆生は死後生前の善悪の業により、六道のいずれかに赴くとされ、珍皇寺はこの六種の冥界への入り口にあたり、こここそが人の世の無常とはなかなさを感じる「あの世とこの世」の分岐点と信じられてきた。
 この寺と冥界にまつわる伝説がもう一つある。それは、平安時代初期の官僚で、閻魔大王に仕えたとされる小野篁は、この珍皇寺の庭の井戸を使い、夜毎冥界へ通ったという。その出口としては嵯峨野の大覚寺門前の六道町に明治頃まで会った福生寺の井戸だともいわれている。


閻魔堂の中には閻魔大王像と小野篁像が納められているとの事ですが、生憎、この日は公開していない様子でした。


六道珍皇寺
場所:京都府京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595

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昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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