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役の行者が、後に前鬼・後鬼としてつき従うようになる2人の鬼を捕らえたとされる場所は、かつて鬼取山 鶴林寺があったとされる場所であると伝えられています。
残念ながら、鶴林寺は戦国時代の末期に兵火によって焼失してしまったようですが、其の跡地は地域の方々によって今でも大切にされているようです。

kyuukakurinjiato07.jpg

 


私がこの地に付いて事前に調べていたものによれば、どうやらケーブル線の霧ヶ丘駅から山中に伸びる道をひたすら進んでいくと辿りつけるとの事でした。
この日は寶山寺に足を運んでいた日でしたので、日頃の運動不足解消もかねて一駅分登山する事としました。

冬なのに汗をかきながら、なんとか霧ヶ丘駅に到着。
kyuukakurinjiato02.jpg kyuukakurinjiato01.jpg
(左) 霧ヶ丘駅から山頂方面
(右) 霧ヶ丘駅から山麓方面
大阪市内にする私にはケーブル線自体あまり縁のない物ですので、こういった光景も新鮮に感じます。

kyuukakurinjiato03.jpg kyuukakurinjiato04.jpg
そして霧ヶ丘駅近くに、案内板を発見。
この道を進めばよいようです。

しかし・・・
ここからが大変でした。

ひたすらひたすら山中の道を歩いていけば良いのですが、不慣れな山道を30分ほど歩くのはやはり疲れました;;
森の中なので気分は良かったのですけどね。
kyuukakurinjiato28.jpg kyuukakurinjiato05.jpg
道中ちょっと危なげなところもありましたが、分岐も一箇所だけ、そして今回すれ違う人とは出会いませんでしたが、それなりに歩く人がいるのか道も踏み分けられていましたので、分かりやすくはありましたがやはり運動不足を実感させられました。

鳥居をくぐってようやく現地入りです。
kyuukakurinjiato06.jpg
修験道の流れをくむ寺なので鳥居があるのですね。
最近、鳥居のある寺を見てもあまり不思議さを感じなくなってきてしまいました。

kyuukakurinjiato12.jpg
現地案内板

旧鶴林寺跡 Old Kakurinji Site
この付近は、「大和名所図絵」には般若岩屋と呼ばれたと書かれている。役行者の鬼取伝承が伝えられ、修験道の行場とされてきた。安政6年(1859)銘の石造 薬師如来像などがある。なお、江戸時代 鶴林寺は東へ約700m下った所に移転した。


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今からおよそ1,270年の昔(西暦707年 天武朝の頃)役の行者によって開山されました。日本最古の霊場で現存する滝も薬師の霊泉・薬師の滝と謂われております。役の行者が万民救済を願って滝水祈願をされました折り、薬師如来が忽然と姿を現し祈願成就を告げられたと云う由緒からその名があるのであります。そしてその周辺の山は生駒山の一角でありますが、鬼取山と呼んでおります。役の行者の法力によって打取られた前鬼後鬼の物語りから後の人が呼ぶようになったのであります。その後和銅三年(七一二年)僧行基が当山に来られ、薬師如来の御託宣をうけられ、薬師如来を御本尊とした鶴林寺の前身である生馬院を有里(下流)に建立されました。これが当寺の興りであります。平安時代の初期に寺田用水を守る必要から下流にあった生馬院を上流に移し、水源獲得の役目も兼ねて寺号も鬼取山鶴林寺と改称しました。鶴林寺と云う寺号の発祥も此の地は印度の跋堤河の西岸沙羅の林に似ていて、お釈迦様ねはんの地と同形なりと云われた行基菩薩の感旦調から引用されて名付けられたものであります。この沙羅の林はお釈迦様が入滅された時、林の緑が皆白色となり白鶴のようになったと云われております。由に白鶴の林に似たところから鶴林寺となったのであります。鶴林寺となってから隆盛を極めましたが、戦国時代の末期にはいり、信貴山の城主 松永久秀の兵火にあい、本堂を焼失しましたが御本尊の薬師如来と行者像は無事であったと云われております。本堂焼失後、御無事であった御本尊の薬師如来像と行者像は一旦麓の村寺に移しましたが安政六年村寺に移した御本体と同一の薬師如来像を石仏造りとし本堂跡に奉安したのであります。其ののち明治に入ってから信者と村意によって行者堂の再建がなり、再び行者像を元の所にお迎えしたのであります。そして日本最古の霊場として、ふたたび再興の願いをもって現在に至っております。

御本尊と脇仏
御本尊薬師如来 薬師瑠璃光如来又は大医王仏とも申され十二誓願を発して衆生の病患や無明を治する法薬を与えられると云われる。その表現として十二神将を配されています。
脇仏不動明王 大日如来の変化仏にして一切の悪魔を降伏し衆生をして現世利益をえる明王部の主尊であります。
脇仏八大竜王 雨水を掌り不可思議の神力を現わされると云われます。
開祖役の行者 役の小角と云い大和国に生れ幼少より神験を現わされ衆生を済度され後に神変大菩薩の謚号を朝廷から賜った当山の開祖

霊験場
薬師の滝 薬師如来が行者の祈願を納受され出現された霊験あらたかな滝で、湧き出する滝水は病気平癒と心の悩みを治することで有名です。
八大の滝 八大竜王が住されると云われる滝で、この滝水において修行し祈願をすると必ず祈願が成就し、八大竜王の加護が得られると云い伝えられています。
千体地蔵 此の世の光を仰がずして元の霊界に逆戻りした罪なき水子は釈迦涅槃の地にもっとも似たこの霊山に地蔵を頼ると云う大悲の地蔵尊です。


改行されていないので、ちょっと読み難いです。

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本尊とされる石造 薬師如来像

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薬師の滝 滝水は流れていませんでした。

kyuukakurinjiato13.jpg kyuukakurinjiato16.jpg
kyuukakurinjiato17.jpg 行者堂

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山を下る方向に道が伸びているので、興味本位で降りてみると・・・

kyuukakurinjiato21.jpg kyuukakurinjiato20.jpg
また行場がありました。
何も書かれていませんが、おそらくここが八大竜王の滝なのでしょう。

きれいにされてはいるものの、さすがに寺の跡ですので訪れる人が少ないようです。
むしろ案内板があったことにビックリさせられます。

かつて、こんな山中にも大きな寺があった事に少し驚かされました。

この後、八大竜王信仰の総本山といわれる龍岳院にも行ってみようと、山頂への道を辿り始めると・・・

kyuukakurinjiato27.jpg
ものの数分で山頂近辺に到着しました。
結果から考えると、鶴林寺跡へも山頂駅から向かう方がどうやら近そうです。


<<関連エントリー>>
鬼(前鬼・後鬼)-奈良県生駒市・寶山寺-
鬼(前鬼・後鬼)-慈光寺-
八大竜王-奈良県生駒市・大和八大龍王 龍岳院-

鬼取山 鶴林寺跡
場所:奈良県生駒市鬼取町



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昨今、文献漁りも行っているが、昔の人の書が達筆すぎて苦心中

 

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